事業者が、契約を締結させ、または契約の申込みの撤回もしくは解除を妨げるために、人を威迫して困惑させてはならない(法6条3項)。
トラブルの具体例
(ア) 契約を締結させるための威迫、困惑
通達は、「買ってくれないと困る」と声を荒げられて、誰もいないのでどうしてよいのかわからなくなり、早く帰ってもらいたくて契約してしまった例、ことさらに入れ墨を見せられ、こわくなって話を切り上げられなくなってしまった例を挙げる。さらに次のような事例も見受けられる。
1 電気掃除機の勧誘で、掃除の実演後に購入を断ると、販売担当者が怒りだし、掃除機の中のゴミを室内に撒き散らして怒鳴られたので契約した。
2 1人暮らしの女性宅で、18時から21時まで勧誘されて、断つたら「おちよくつとんのか」とすごまれ契約した。
3 販売担当者を玄関外に押し出そうとすると「喧嘩を売るのか」「俺は執行猶予が残っている」「半年契約したら許してやる」と迫られ契約した。 ?C 「自分は組の者だ。せつかく来たのに断るとは何事か。若い者を連れてくる」「事務所に顔を貸してもらう」とすごまれ契約した。
4 「ここまで説明させて断るとは営業妨害だ、出るところに出てもよい」等と言われ困惑して契約した。
5 「その道のプロに頼むぞ」「買わないなら訴えられて裁判になっても知らんぞ」等と言われて契約した。
6 契約を断ると「今から
寿司屋に電話をしてお前の家に出前を0O人分注文してやる」と脅かされ契約した。
7 勧誘を断ると、目の前で営業部長が販売担当者に対し「売れなかった責任をとれ」と殴る蹴るの暴力を振るい始め、いたたまれなくなって契約した。
8 デート商法で、消費者が好意をもつ女性販売員とは別の男性販売員が登場し「お前が契約せんかつたら、この女(女性販売員)がどうなってもええんか。俺が何をしてもいいんか」等と言われたので契約した。
9 契約を渋っていたら、販売担当者の車内に午後11時から午前8時まで軟禁され「社会人としての常識がない」「人生をめちゃくちゃにしてやる」とすごまれ、地面に上下座して念書を書く羽目になった。
10 怒鳴る、灰皿を机に投げつける、部屋の外まで追いかける等して契約を迫つた。
(イ) 契約解除を妨げるための威迫、困惑
通達は、クーリング・オフを申し出ると、業者から支払いの催促の電話があり「残金を支払わないと現住所に住めなくしてやる」と言われ不安になってクーリング・オフの行使を思いとどまった例を挙げている。さらに次のような事例がある。
1 「クーリング・オフなんて当社ではあなたが初めて、法的手段で争うと大変なことになる」と迫る。
2 営業活動の妨害だと開き直る文書を送りつける。
3 声を荒げてののしる、玄関前で暴れる。
4 「殺すぞ、実家の親も一緒にやつてやる」と凄む。
5 クーリング・オフを通知すると「解約して迷惑をかけた分を、わが社でパートで働いて返せ」と迫られ、2日間夕ダ働きに行って許してもらった。
6 クーリング・オフを通知したら「約束を破るなら近所に言いふらす、内緒にしていた夫に言う、いやなら代わりの商品を買え」と迫られ、契約続行になった。
7 大学4年生がクーリング・オフしたところ「自分は産業界に人脈があるので就職内定中の会社に居られなくしてやる」と脅かされた。
8 クーリング・オフをすると、販売担当者が来訪し「なぜ解約した」と言いながら玄関前に3時間居座り続け、再度同じ契約を結ばせた。
9 販売担当者が自宅前を俳徊し、家族に危害が及ぷ懸念からクーリング・オフをあきらめた。
10 クーリング・オフの電話をすると販売担当者が来訪、サービス品の洗剤を床に投げつけて撒き散らし「クーリング・オフできるものならやつてみろ」と近所中に聞こえる声で怒鳴られて契約を続行した。
11 契約時にクーリング・オフについて尋ねたら「会社としてはクーリング・オフを受けますが、自分がクビになったら責任を取ってもらえますか」と言われたのでクーリング・オフを思いとどまった。
12 クーリング・オフすると言ったら「工事をしているのに何を言うか」と激高し「今日手配した材料は自分が払うことになるので10万円くれ」と言われ怖くなった。
以上は「クーリング・オフ妨害」に該当する。
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