・子の氏の変更事件
手続行為能力(新設)
子は,民法第791条第1項又は第3項の規定による子の氏の変更の許可の審判事件においては,意思能力を有する限り,手続行為能力を有するものとする。ただし,子が15歳未満であるときは,この限りでないものとする。
・養子をするについての許可の審判事件
手続行為能力(新設)
養親となるべき者及び養子となるべき者は,民法第794条又は第798条の規定による養子をするについての許可の審判事件においては,意思能力を有する限り,手続行為能力を有するものとする。ただし,15歳未満の養子となるべき者については,この限りでないものとする。
(注)養子となるべき者は,利害関係人として民法第794条又は第798条の規定による養子をするについての許可の審判事件の手続に裁判所の許可を受けて参加することができるが,さらに,利害関係人として当然に参加することができるものとするかどうかについては,なお検討するものとする。
ウ陳述聴取(新設)
1 家庭裁判所は,養子をするについての許可の審判をするには,養子となるべき者の陳述を聴かなければならないものとする。ただし,その者が15歳未満である場合又はその者の心身の障害によりこれを
行うことができない場合は,この限りでないものとする。
2 家庭裁判所は,養子となるべき者が未成年者である場合において,養子をするについての許可の審判をするときは,養子となるべき者に対し親権を行う者又は養子となるべき者の未成年後見人の陳述を
聴かなければならないものとする。
(注)養子となるべき者が15歳未満である場合には,陳述聴取,家庭裁判所調査官の調査その他の適切な方法により子の意思を把握するように努めなければならないことを前提としている
・審判の告知
【甲案】
養子をするについての許可の審判は,第2の2(7)ア(エ)により養親となるべき者に対して告知しなければならないものとし,養子となるべき者に対しては告知をすることを要しないものとする。
【乙案】
養子をするについての許可の審判は,第2の2(7)ア(エ)により養親となるべき者に対して告知するほか,養子となるべき者に対し,告知しなければならないものとする。ただし,養子となるべき者が15歳未満である場合においては,養子となるべき者に対し親権を行う者又は養子となるべき者の未成年後見人に対し,審判の告知を行うものとする。
(注)15歳以上の養子となるべき者及び養子となるべき者が15歳未満である場合において養子となるべき者に対し親権を行う者又は養子となるべき者の未成年後見人が,養子をするについての許可の申立てを却下する審判に対し即時抗告をすることができるものとすることについては,なお検討するものとする。
・死後離縁をするについての許可の審判事件
手続行為能力(新設)
養親及び養子は,民法第811条第6項の規定による死後離縁をするについての許可の審判事件においては,意思能力を有する限り,手続行為能力を有するものとする。ただし,15歳未満の養子については,この限りでないものとする。
【甲案】
家庭裁判所は,死後離縁をするについての許可の申立てがあった場合においては,その申立てが不適法であるとき又はその申立てに理由がないことが明らかなときを除き,養子の代襲者で養親の相続人となるべきものに対し,その旨を通知するものとするものとする。
【乙案】
1 甲案と同じ。
2 家庭裁判所は,死後離縁をするについての許可の審判をするには,
養子の代襲者で養親の相続人となるべきものの陳述を聴かなければならないものとする。
3 死後離縁をするについての許可の審判は,第2の2(7)ア(エ)により申立人に告知をするほか,養子の代襲者で養親の相続人となるべきものに対し,告知しなければならないものとする。
(注)甲案及び乙案のいずれも,事件記録上その氏名及び住所又は居所が判明している場合に限り,通知(,陳述聴取及び審判の告知)をするものとすることを前提としている。
・特別養子縁組に関する審判事件
手続行為能力(新設)
特別養子縁組の成立の審判事件においては養親及び養子の父母は,特別養子縁組の離縁の審判事件においては養親,養子及び養子の実父母は,それぞれ,意思能力を有する限り,手続行為能力を有するものとする。
陳述聴取
特別養子縁組の離縁
(注)養子が15歳未満である場合には,陳述聴取,家庭裁判所調査官の調査
その他の適切な方法により子の意思を把握するように努めなければならないことを前提としている
・審判の告知(新設)
(前注)特別養子縁組を成立させる審判における養子となるべき者及び特別養子縁組の当事者を離縁させる審判における養子は,審判を受ける者であるから,第2の2(7)ア(エ)によれば審判の告知を受けることになるが,(ア)③及び(イ)②は,その特則について検討するものである。
(ア) 特別養子縁組の成立
1 特別養子縁組を成立させる審判は,第2の2(7)ア(エ)により告知を受ける者(養子となるべき者を除く。)に加え,次に掲げる者に対し,告知しなければならないものとする。
a 養子となるべき者に対し親権を行う者又は養子となるべき者の後見人
b 養子となるべき者の父母に対し親権を行う者又は養子となるべき者の父母の後見人
2 養子となるべき者の父母が知れないときは,第2の2(7)ア
(エ)及び(ア)①にかかわらず,養子となるべき者の父母及び養子となるべき者の父母に対し親権を行う者又は養子となるべき者の父母の後見人に対し,審判を告知することを要しないものとする。
3 特別養子縁組を成立させる審判は,養子となるべき者に対し,告知することを要しないものとする。
(注)児童相談所等への通知については,家事審判規則第64条の10と同様の規律を置くものとすることが考えられる。
(イ) 特別養子縁組の離縁
1 特別養子縁組の当事者を離縁させる審判は,第2の2(7)ア
(エ)により告知を受ける者(養子を除く。)に加え,次に掲げる者に対し,告知しなければならないものとする。
a 養親の後見人
b 養子に対し親権を行う者又は養子の後見人
c 養子の実父母に対し親権を行う者又は養子の実父母の後見人
2 特別養子縁組の当事者を離縁させる審判は,〔養子の年齢及び発達程度その他一切の事情を考慮して養子の福祉を害すると認める場合を除き,〕養子に対し,告知〔通知〕しなければならないものとする。
(注1)養子に対して特別養子縁組の当事者を離縁させる審判を知らせることを「告知」とするか「通知」とするかについては,第4の1(5)ア参照
(注2)養子に対して特別養子縁組の当事者を離縁させる審判を告知〔通知〕しなければならないことの例外については,養子の年齢及び発達程度その他一切の事情を考慮して養子の福祉を害すると認める場合を除くとの規律を置くことを念頭に,なお検討するものとする。
・即時抗告
特別養子縁組の離縁
(注)特別養子縁組の当事者を離縁させる審判の申立てを却下する審判に対する即時抗告の抗告権者を申立人に限定するのかについては,なお検討するものとする。
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